リマの大先輩、響子さんご夫妻に、 「アマンカエス(Amancaes)」を見に連れて行ってもらった。
あ、でも、「アマンカエス」の説明の前に、「ロマス」の説明からいきます♪
「ロマス(Lomas)」
ペルーは大きく3つの気候に分けられる。 「コスタ(海岸地域)」 「シエラ(アンデスの山岳地帯)」 「モンターニャ(アマゾン熱帯雨林地帯)」。 その中の「コスタ」は乾燥砂漠地帯で、ほとんど雨が降ることがない。 からっからの乾燥地帯、だからこそ多くの遺跡やナスカの地上絵も残ったのね。
でも毎年6月~10月の間、濃霧が発生する。 ドヨ~ンとした雲に覆われ、湿度100%の毎日。 なぜこの時期に濃霧が発生するのか? それは貿易風が強まり、ペルー沖を流れるフンボルト海流の勢いが増すから。 南極から流れてくるフンボルト海流の海水温は 13~14度と低い。 その低温で蒸発の抑えられた大気が海岸の砂漠地帯に流れ込み、一気に上昇する。 こうして上層に低温、下層に高温の大気層が作られ、温度の逆転現象が起こる。 (普通は温かい空気が上にいくでしょ) この逆転現象にともない、海抜600m前後で濃い濃い霧が発生するという訳。 この霧が地中に眠る植物たちを蘇らせ、花と緑に覆われた草原地帯を作るんです。
1年のうちのほんの一時現れる、秘密の花園。 その「ロマス」の目覚めを知らせる花が、「アマンカエス」なんです。
手前は不毛の砂漠地帯。
でも奥の山には うっすら緑が見える。
しかし、その山あたりの霧の濃いこと!
花園のもう一人?の住人、わんこちゃん。
他にもわんこ1匹、ねこ2匹がお出迎えしてくれました。
普段は閉じられているエリアを特別に開けてもらった。
(響子さんたちのお陰! ありがとうございます!)
ロマスの植物はまだまだ調査中で、ここでも100種類以上はあるだろうとのこと。
毎年70種類くらいの植物が芽を出すが、
ある年突然芽を出すのもあり、温度湿度によって毎年違うんだって。
一面緑、そしてぽつぽつと咲く「アマンカエス」!
ユリのような水仙のような・・・
とても鮮やかな黄色、優しい香り。
ロマスには本当に多くの植物があるけど、 その季節の訪れを告げるのが このアマンカエス。 霧に漂うわずかな水分を取り込むために、 花は谷を向いて咲くんだとか。 花がこんなラッパ型になったのも、少しでも多くの水分を集めようと 長い年月の間に変化したのかもしれない。 すごいっ!
アマンカエスが集めた水分は
次の植物たちの芽吹きも誘う。
ありゃ?これはちょっと天邪鬼。
谷を向いてない子は誰?
今年できた種。
でも来年芽吹くとは限らない。
一面黄色、満開のアマンカエスを見たかったけど 今回はもうちょっと時期が遅かったらしい。 きっと先週、先々週だったら もっと素敵だったろう! 来年はきっと! と、もう次の冬の訪れを待ちたくなる(笑)
でも他の植物たちも次々芽吹き始めてたし、 きっといつ来ても色んな発見があるんだろうなー
「Begonia geranifolia」
こんな岩場からも次々と!
「Commelia fasciculata」
いちじくかと思ったら、野生のパパイヤ!
これは雌雄の木があって、とってもおいしいんだって。
うーん、大きくなったころに食べにくるか?
こんなわずかな水分だけで生きるロマスの植物たち。
「Adiantum subvolubile」
インカ時代のずっと前から、ロマスは人間に多くの恵みを与えてきた。
リャマやグアナコなど、アンデス特有のラクダ科動物たちは、
ロマスの植物を根こそぎ食べる事はない。
でもスペイン人が持ち込んだヤギや羊は、硬い蹄でロマスの土を踏み固め、
植物の芽も茎も根っこまでも食い荒らしてしまう。
標高約350~750mの岩山の土の厚さは ほんの5cmかそこらしかない。
一度踏み固められてしまうと、地中の種子達はもう二度と芽吹くことができない・・・
リマのセントロの裏山あたりにも“アマンカエス”という地名があるんだって。
きっと数十年、数百年前までは、そこも毎年緑に覆われたんだろう。
でも今は なーんにもない砂漠、砂山。
すべては人と旧大陸からの動物たちが、破壊してしまったんだね。
「今、周辺住民との対話を大切にしてるんです。 『昔、もっと緑が豊かだったころは、もっともっとヤギのミルクの質はよかったでしょ?』って。 ただロマスは大切だ、むやみに放牧するなと言っても、 生活がかかってる彼らには 理解してもらえません。 でも、人間とロマスは共存できるはずです。 だからきちんと話し合えば、周辺の人々にもわかってもらえるはずなんです。」
ここのロマスの管理人さんのお話は、とってもうれしかった。
この後もいろいろお話を伺い、ちょっとした?研究施設も見学した。 どの花が何年で芽吹き、何年で花が咲くか、とか まだまだ多くのことを研究中なんだって。 ロマスを守ろうとしている人々のお陰で、冬のリマでの素敵な1日を過ごす事ができた。